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第5回勉強会 / ボトルネックをどう見つけるか

2章 / COM-Bで分類し、見落としを探す

1章で記録した場面を、能力・機会・動機から見直す。

01 / COM-Bとは何か

行動を左右するのは、本人のやる気だけではない。

ある行動が起きる条件を、能力(Capability)・機会(Opportunity)・動機(Motivation)から考えるのがCOM-Bです。三つの条件と行動(Behaviour)の関係を表し、行動を変える方法を考える土台になります。Michieらが2011年に発表した、行動変容ホイール(BCW)の中心にあるモデルです。[1]

COM-Bの関係図。能力から動機、機会から動機は片方向。能力と行動、動機と行動、機会と行動はそれぞれ双方向。矢印は影響の可能性を示す。
原典Figure 1の接続と矢印の方向を保持した説明用の図。矢印は影響の可能性を示し、必ず増えるという意味ではありません。[1]

能力は、その行動に必要な知識や技能など、心身の力を指します。機会は、時間や場所など、行動を可能にしたり促したりする本人の外側の条件です。動機には、意識的な目標や判断のほか、習慣や感情も含まれます。[1]

図では、能力や機会から動機へも矢印が伸びています。また、行動から能力・機会・動機へ戻る矢印もあります。原典では、行動することで三つの条件も変わりうると説明しています。[1]

やる気を高める以外にも、行動に働きかけるルートがある。

この矢印と、この先の説明をヒントに、自分のボトルネックにはどのルートから働きかけるとよさそうか、仮説を立ててみてください。

02 / 三つの観点を、もう一段分ける

能力・機会・動機を、六つの観点で確かめる。

観点区分何を見るか
C:能力身体的能力その行動に必要な体力や身体の技能。
心理的能力その行動に必要な知識、理解、考える力。
O:機会物理的機会時間、場所、道具などの環境条件。
社会的機会周囲の習慣や文化、人との関わり。
M:動機熟慮的動機意識的な評価、判断、計画。
自動的動機習慣、感情、衝動など。

原典Methodsの定義と六つの区分をもとに、身近な言葉で説明しています。[1]

例えば、「帰宅後に歩こう」と決めていても、ソファに座ると、いつものように動画を開いてしまう。そんな場面では、本人の目標だけでなく、習慣にも目を向けます。

どの条件に働きかけるかは、行動と状況によって変わります。原典も、能力だけが障壁になる場合、機会の変更で足りる場合、複数の条件を変える必要がある場合を挙げています。[1]

03 / 1章の記録を見直す

記録を三つの観点で見直し、次に確かめることを決める。

1章では、「帰宅後にソファに座り、30分動画を見た」という行動と、「脚が重く感じた」「外へ出るのは面倒だと思った」という本人の経験を分けて記録しました。COM-Bを使うと、次のような問いから、その場面を見直せます。

見る観点散歩の例で、次に確かめること
C:能力帰宅した時間帯に、5分歩けるだけの体力はあるか。
O:機会歩く時間は取れるか。荷物を置いてから外へ出るまでに、何があるか。
M:動機歩くことをどう考えているか。ソファに座ると動画を開く習慣はあるか。

「疲れたから能力の問題」「面倒だから動機の問題」と、言葉だけで分類を終えないようにします。「脚が重い」と感じたことは記録に残し、それが歩かなかった理由なのかは、まだ確認が必要です。

分類したら、何がまだ分かっていないかを確かめる。

原典は、目指す行動を実現するために、本人と、その人を取り巻く環境にどんな条件が必要かを問います。その問いに沿って、ここでは妨げになりそうな条件と、すでに行動を支えている条件を探します。[1]

次章では、見つけた条件を変えるために何ができるか、BCWを参考に考えます。